翻訳家としてキャリアを築く際、雇用形態として大きく「インハウス翻訳者」と「フリーランス翻訳者」の2つに分かれます。どちらを選ぶべきかは人それぞれですが、それぞれにメリットとデメリットがあります。私自身はインハウスの経験もあるため、そのメリット・デメリットを紹介しつつ、それぞれの特徴を掘り下げながら、翻訳者を目指す方に役立つ情報を提供したいと思います。
インハウス翻訳者とは?
企業や翻訳会社に正社員または契約社員として雇用され、社内で翻訳業務を行う翻訳者のことです。企業内のチームで働くため、一定の組織文化や上司との関係が仕事に影響を与えることもあります。
メリット
安定した収入
毎月固定の給与が支払われるため、収入が安定しています。フリーランスのように仕事量に左右される心配がありません。
福利厚生が充実
健康保険や年金、交通費支給、各種手当など、雇用形態に基づいた福利厚生を受けられます。
チームによるサポート
同僚や上司からのアドバイスを受けやすく、翻訳スキルの向上が期待できます。また、特定分野の専門知識を深める環境が整っている場合も多いです。
有給休暇がある、連休が取りやすい
私は出版翻訳をしていたのですが、締め切りさえ守ればいつ休もうがあまり関係なかったので、比較的有給休暇は取りやすかったです。
デメリット
上司を選べない
働く環境において、上司との相性は大きな影響を与えます。残念ながら、「良い上司」に恵まれるとは限りません。時には、部下を追い詰め退職に追い込むような「モンスター上司」に出会うリスクもあります。
自由度の低さ
決まった時間・場所で働く必要があるため、仕事のスケジュールに柔軟性がありません。また、翻訳以外の雑務を求められることもあります。これは上司の管理能力にも左右されるのではないでしょうか。
また、出版翻訳をしていた時は、まったく興味のない本の翻訳も担当することがありました。
給料の上がりにくさ
インハウス翻訳者の給料は、他の職種と比較して高くない場合が多いです。特に、経験を積んで専門性が高まっても、会社の評価基準により給与が思ったほど上がらないこともあります。また、固定給制のため、どれだけ多くの仕事をこなしても収入は変わりません。
特定の専門分野に偏りがち
配属先の業界や分野によっては、業務内容が限られ、スキルの幅を広げる機会が少ない場合もあります。
別の仕事に駆り出される
インハウスで働いていた会社は出版以外の事業も展開していました。そのため、ホームページやマニュアルの翻訳など、様々な仕事を担当していました。翻訳の仕事として様々な分野を経験できるのは良い面もありましたが、会議の通訳やイベントの通訳にも駆り出されることがありました。極めつけは、1週間の展示会イベントでスタッフとして働き、出張させられたことです。本業の翻訳ができなくなるのは不満でしたが、インハウスでは他の業務を手伝うのも仕方のないことだと感じました。
フリーランス翻訳者とは?
メリット
自由な働き方
自分のペースで仕事ができ、場所や時間の制約が少ない点が最大の魅力です。旅行先や自宅でも仕事が可能です!
…とは書きましたが、旅行先で仕事はしたくないのが本音です。友人のフリーライターは韓国まできたのにカフェで6時間原稿を書いていたと嘆いていたことも…
仕事の選択権
自分が得意な分野や興味のあるテーマを選べます。
不快なクライアントやプロジェクトを断る自由もあります。
先ほどのモンスター上司の話ではないですが、相性の悪い人と長期では足らなくて済むのは本当に幸せなことだと思います!
無限の可能性
努力次第で収入アップが見込めます。また、実績が増えるほど信頼が高まり、大規模なプロジェクトに関わるチャンスが広がります。
デメリット
収入が不安定
プロジェクトの有無や支払い条件によって収入が変動します。安定した仕事を得るまで時間がかかる場合もあります。
自己管理が必要
スケジュール、税金、健康管理など、全てを自分で行う必要があります。
自己管理能力が求められます。体力なども考慮しないとなので自分としても結構気を使う部分です。
孤独感
一人で仕事をすることが多いため、同僚との交流やアドバイスが得にくい環境です。しかし、モンスター上司と一緒に働くくらいなら孤独のが全然いいです笑
どちらが自分に合うか選ぶポイント
安定を重視するならインハウス
収入や働き方に安定を求める方にはインハウス翻訳者が向いています。特に、翻訳以外にも経験を積みたい方や長期的なキャリアプランを考える方におすすめです。
自由を求めるならフリーランス
場所や時間に縛られない働き方を望む方や、特定の分野で専門性を高めたい方にはフリーランスがおすすめです。ただし、自己管理能力や営業スキルも必要です。
インハウス翻訳者とフリーランス翻訳者のどちらを選ぶかは、自分のライフスタイルやキャリアプラン次第です。それぞれのメリット・デメリットをしっかりと理解し、自分に合った働き方を選びましょう。





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