作成法翻訳者が効果的なレジュメを作成する方法 パート2

韓国語翻訳

出版翻訳者として新しいプロジェクトを立ち上げる際の第1関門の「レジュメ」作成。前回のパート1では日本の出版社に売り込みたい書籍の選定と読み込みの部分までご紹介しました。パート2ではいよいよメインの『レジュメの作成』部分を詳しく解説していきます。

レジュメの作り方とポイント

翻訳書籍のレジュメ(提案書)は、出版社やエージェントに向けて、翻訳したい書籍の魅力や価値を簡潔に伝えるための文書です。このレジュメは、翻訳書の採用や出版の検討を促す重要なツールであり、次のセクションで紹介する要素が含まれます。出版社の編集者は大変忙しので長さには気を付けて!というのがどこでも言われている鉄板ルールで通常A4で 2~5ページ程度にまとめます。
では具体的な細かい部分を見ていきましょう。下に簡単なフォーマット用の写真を載せておいたので参考程度にご覧ください。

基本情報

まず、基本情報として以下の内容を書き込みます。上の写真を参考にしてみてください。

表紙/タイトルページの写真
タイトル : 提案する本のタイトル: 本の原題と、日本語に訳したタイトル(仮題でもよい)を記載。
著者名 : 
出版社 :
ジャンル :
ページ数、発行年数 :
ISBN :
版型 :
定価 :

原書の概要

提案する本の簡単な内容紹介を行います。ネタバレはOKなので内容をきちんと書きます。ここが一番大事な部分です。本がどんなにいい内容でもこの部分がしっかり書けていないと編集者に興味をもってもらえず、即ボツネタになってしまいます。
注意点としてはインターネット書店などに出ている本の紹介や概要を翻訳してそのまま載せるみたいなことをされる方もいるみたいなのですが、これはNGです。しっかり本を読み込み、内容を把握して自分の言葉で表現しましょう。

目次、登場人物

作家について

作家の代表作など経歴を書きます。

本国での評価

出版された国でどのような話題になったのか、賞を受賞歴などの特筆事項を書く部分です。

読者レビュー

入れても入れなくてもいい部分だと思いますが、よい読者レビューがあれば翻訳して入れることがあります。

企画意図と日本での見込み

重要な部分です。なぜこの本を翻訳するのか、どうして今日本で需要があるのかを説明する部分です。海外での成功、話題性、または日本市場でのポテンシャルを強調します。具体的なデータや傾向を盛り込むと説得力が増します。

類書

日本国名で出版されている類書があれば載せましょう。

訳者キャリア

自身の経歴を紹介する部分です。これまでに翻訳した書籍、ジャンル、受賞歴やメディア露出があれば、それを強調します。特に、この本に関連する分野(例えば文学、ビジネス書、エンタメなど)での実績があれば、具体的に記載します。

試訳をしてみよう

試訳は、翻訳者としてのスキルを証明する重要な要素です。出版社に企画を送る際には、必ず試訳を添付するのが基本です。

本の一部を選ぶ

選んだ作品の冒頭や特に重要な部分を試訳してみましょう。特に、物語の核心部分や魅力的なセリフを選ぶと、翻訳のセンスが伝わりやすくなります。

ターゲット読者を意識

日本の読者に響く表現や文体を心がけます。たとえば、韓国語特有のニュアンスや言い回しを自然な日本語に置き換える力が求められます。

プロのチェックを受ける

可能であれば他の翻訳者や専門家に試訳を見てもらい、フィードバックをもらいます。自己チェックだけでは気づかないミスを修正できます。

レジュメの作成にお勧めの本

僕よりももっとプロの専門家の方がお書きになったもののほうがより参考になると思いますのでご紹介します。

翻訳家になるための7つのステップ 著者 寺田真理子

寺田真理子さんのお書きになった著書でタイトルが翻訳家となっていますが出版翻訳者にターゲットがおかれている本で、レジュメの作成方法、翻訳したい本を探し出版社に持ち込むまでに必要な過程が細かく紹介されています。
また、翻訳者、編集者などのインタビューが掲載されていてデビューまでどのような道のりを歩んだのか、どんなレジュメが好まれるのかなど有益な情報が満載です。

あなたも出版翻訳者になれる

以前イカロス出版者から刊行されていたシリーズで、こちらにもレジュメの作成方法が丁寧に紹介されています。また、持ち込み可能な出版社リストもあり便利です。恐らく絶版になってしまったかと思うのですが、中古で購入ができると思います。

出版社探し

レジュメや試訳が完成したら、どの出版社にアプローチするかを決めましょう。ターゲット出版社の選定は非常に重要です。
最近は持ち込みを受け付けない旨をホームページ上に記載している出版社が非常に多いです。まずは持ち込みの可否を確認することが大切。そのうえで出版が社のリサーチ作業を行います。

翻訳書を多く扱う出版社を選ぶ

翻訳書の実績がある出版社は企画の採用率が高い傾向があります。翻訳文学に力を入れている出版社をリサーチしましょう。

自分のジャンルに合った出版社を調査

選んだ作品のジャンルと出版社の得意分野が一致しているか確認します。また、韓国関連書籍に強い出版社を優先的に選ぶのも良いでしょう。

出版社の応募規定を確認

企画書や試訳を受け付けている出版社の場合、応募方法が明記されています。それに従って送付しましょう。ただし、ホームページだけでは企画の持ち込みの可否が不透明な出版社も多くあります。その際は問い合わせて確認しましょう。

出版社に問い合わせる

いよいよ出版社に連絡を取ります。以下の方法で丁寧にアプローチしましょう。

メールやフォームを活用

出版社の公式サイトで公開されている問い合わせフォームやメールアドレスを使用します。件名には簡潔に「翻訳企画のご提案」などと記載しましょう。

簡潔かつ誠実な内容

自分の経歴、翻訳したい作品、試訳の有無を簡潔に伝えます。たとえば、「韓国語から日本語への翻訳経験が3年以上あり、今回〇〇の試訳を用意しました」といった具体的な内容を含めます。

返信がない場合のフォローアップ

編集者は非常に忙しいため返信が来ないこともしばしばです。一定期間返信がない場合は、丁寧にリマインドメールを送ることも可能ですが、不採用の場合は連絡が来ない旨がホームページに記載されていることもありますので事前に確認しましょう。決してしつこくならないように注意が必要です。

以上、レジュメ(提案書)の作成法と出版社へのアプローチまでをご紹介しました。出版翻訳者としての道を切り開くためには、計画的な準備と熱意が不可欠です。本探しから出版社へのアプローチまで、各ステップをしっかりと進めていきましょう。また、最新の情報や実際の翻訳者の体験談を参考にすることで、成功の可能性が広がります。
本日も最後までご覧いただきありがとうございました。

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